弁才十五童子とは

十五童子の
出自と由来
弁才十五童子の出自は、仏説最勝護国宇賀耶頓得如
意宝珠陀羅尼経とされ、それに善財童子を加えて十六
童子と呼ばれることもあります。
たまたま、当寺所蔵の軸には、従者童子と入れ替わって
善財童子が描かれていますので、ここでは、軸絵に基づ
いて表記しました。
印鑰童子
(いんやくどうじ)
印鑰童子は麝香童子ともいわれ、本地を釈迦如来とし、
右手に宝珠、左手に鑰(宝庫の鍵)を持っておられす。
官帯童子
(かんたいどうじ)
官帯童子は赤音童子ともいわれ、本地を普賢菩薩とし、
手に官位を司る帯を持っておられます。
筆硯童子
(ひっけんどうじ)
筆硯童子は香精童子ともいい、本地を金剛手菩薩とし、
手に知恵と知識を司る筆と硯を持っておられます。
金財童子
(こんざいどうじ)
金財童子は召請童子ともいわれ、本地を薬師如来とし、
手に秤の糸と秤量を執り、徳と罪、財の価を司ります。
稲籾童子
(とうちゅうどうじ)
稲籾童子は大神童子とも名付け、本地を文殊菩薩とし、
肩に稲の束を負い、手に宝珠を持って繁栄を司ります。
計升童子
(けいしょうどうじ)
計升童子は悪女童子ともいわれ、本地は地蔵菩薩とし、
両手に升を持って、真価の顕現を司ります。
飯櫃童子
(はんきどうじ)
飯櫃童子は質月童子ともよばれ、本地は栴檀光仏とし、
満たされた飯櫃を持して、功徳の広がりを司ります。
衣裳童子
(いしょうどうじ)
衣裳童子は除哂じょき童子とも言い本地は摩利支天とし、
手に衣裳を捧げて、端然の気を司ります。
蚕養童子
(さんようどうじ)
衣裳童子は悲満童子ともいわれ、本地は勢至菩薩とし、
両手に蚕
(蚕のまゆ)器を捧げ、神聖の気を司ります。
酒泉童子
(しゅせんどうじ)
酒泉童子は密迹童子とも名付け、本地は無量寿仏とし、
右で甕の酒を汲み、左に宝珠を持して養老を司ります。
愛敬童子
(あいきょうどうじ)
愛敬童子は施願童子ともいい、本地は観世音菩薩とし、
右に箭、左に弓を執り、敬愛和合の与願を司ります。
生命童子
(しょうみょうどうじ)
生命童子は臍虚空童子ともいい、本地は弥勒菩薩とし、
右に宝剣、左に宝珠を持し魔障摧破、福寿増長を司る。
牛馬童子
(ぎゅうばどうじ)
牛馬童子は随令童子とも名付け、本地を薬王菩薩とし、
牛馬を牽き、回心向大、力強い行動の気を司ります。
船車童子
(せんしゃどうじ)
船車童子は光明童子とも名付け、本地を薬上菩薩とし、
側に船と車を有して、臨機応変の願いを司ります。
善財童子
(ぜんざいどうじ)
善財童子は乙護童子とも名付け、善知識の宝袋を手に
捧げ持って、善行と精進の気を守護しておられます。